ステッピングモータについて教えて下さい
インダクションモータは、もっともオーソドックスな交流モータです。
インダクションモータは、巻き線の相数に応じて、電源周波数に同期して回転し、基本的に回転速度が変えられません。
ちなみに、電源周波数を電子的に変化させて速度が変えられるようにした物が、いわゆるインバータモータと言われるものです。
モータ自体の構造はインダクションモータと変りませんが、50/60Hzの電源に同期して回転している時に最高の高率になるように設定されている普通のインダクションモータとは違い、ある程度の幅で効率が保てるように工夫されています。
他に、電流を加減してやる事で回転速度を変化させる事ができるスピードコントロールモータや、発生トルクを変化させる事ができるトルクモータなんて言うモータもあります。
サーボモータとは、モータの軸角度を検出する機構を内蔵し、ベースとなるスピードコントロールモータ(AC)やブラシモータ(DC)に与える電流/電圧を電子回路で微妙に制御する事で、モータ軸1回転あたり数百から数万ステップの微小角度制御ができるモータです。
(
ブラシレスDCモータ(BLDC))
現在、工作機械や工業ロボットの位置決め制御には、ACサーボモータがもっとも汎用されています。
ステッピングモータは、普通の回転動力を得るためのモータでは無く、位置決め制御専用のモータです。
巻き線の巻き方によって2相、5相・・・等の種類があります。
ステッピングモータは、巻き線への電流の流し方(流す/流さないと流す方向)の組み合わせで、常に一定の位置(1回転あたり200~500ステップ程度)に留まろうとする特性があります。
このため、位置決め制御用モータとしては非常に都合が良いのですが、モータ本体と、モータによって駆動されるメカの重量や慣性をきちんと計算しないで使うと、異常振動を発生しメカニズムを損なう事があります。
ちなみに、ステッピングモータを回転させるには、停止状態から隣のステップに止まる状態に電流を変化、それにつれて回転し始めたら、次のステップ、次のステップ・・・と停止位置を回転に合わせて変化させる事で行います。
このことから、ステッピングモータは回り続けるモータでは無く、止まり続けるモータである・・・と言う人もいます。